日帰り手術緑内障手術
日帰り緑内障の手術について
現在40歳以上の20人に1人がかかっていると言われ、日本人の中途失明原因の第一位という緑内障。緑内障の手術は、その主な原因となっている、眼圧を下げることを目的として行われるものです。当院では日帰りにて、繊維柱体切開術やレーザー虹彩切開術を行っています。
緑内障についてはこちらのページもご参照ください。
緑内障のページいったん緑内障で傷害してしまった視力や視界を回復することは難しいのですが、手術によって眼圧を下げることにより、進行を遅らせることが期待できます。日帰りで行うことが可能ですので、日常生活への影響も少なく抑えられます。
繊維柱体切開術(トラベクロトミー)
慢性的な原発開放隅角緑内障において、薬物による眼圧コントロールが不十分で眼圧が下がらない場合などに行う手術です。詰まってしまっていた房水の流れ道である繊維柱体を、切開することで排出路を回復させ、再度流れるようにし、眼圧を降下させます。所要時間は30~40分程度です。繊維柱体を切除してバイパスを作る「繊維柱体切除術(トラベクレクトミー)」よりは眼圧下降効果が低くなりますが、合併症は少なめで負担の少ない手術です。
レーザー虹彩切開術
原発閉塞隅角緑内障において、急激に眼圧が上昇するなどの急性緑内障の発作が起こった場合や、その予防のために行われるレーザー治療です。虹彩の周辺にレーザーによって小さな穴をあけ、房水の通り道を作ることで眼圧を下げる治療法です。虹彩にあけた穴は、自然にふさがってしまう場合もありますが、その際は再度、この治療をすることか可能です。
合併症について
上記の手術やレーザー治療においては、以下のような合併症が現れる場合があります。
- 前房出血
- 手術の際の出血で、多く見られるものです。目の中が出血で濁ることにより視力が下がりますが、一過性で、約1週間で解消します。
- 角膜混濁
- 眼の中での操作のため、角膜に影響を与える場合があります。もともと角膜が弱い、角膜に関わる病気がある場合、あるいは手術が難しし症例では、角膜のダメージが大きくなってしまうことがあります。角膜が混濁し、重度の場合は角膜移植手術が必要になります。
- 眼内炎
- 発生の確率は数千人に1人と言われています。細菌が感染し炎症を起こすもので、放置すると失明の危険があります。目を清潔に保ち、抗菌剤の点眼を行って予防します。
- 駆逐性出血
- 発生の確率は5千人に1人と言われています。手術中に突然目の奥で急激な出血が起こるものです。すぐに手術は中止となります。場合によっては失明に至ることもあります。
- 水疱性角膜症
- 角膜内皮細胞が障害を受けることで、角膜に多量の水が溜まり、角膜に浮腫が生じるものです。角膜が濁って視力が低下します。角膜移植手術が必要となる場合があります。
手術までの流れ
- 手術3日前まで
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- 視力、眼圧、眼底検査などの各種検査を行います。
- 手術3日前より抗生物質の点眼薬を決められた回数、手術をする目に点眼していただきます。この点眼薬は手術当日直前まで使用します
- 手術前日
- 手術後は一定期間、入浴・洗髪・洗顔ができなくなるため、前日に済ましておくようにしましょう。食事に関する制限はありませんが、アルコールは控えるようにしましょう。
- 手術当日
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- 決められた時間までにご来院ください。来院時間は手術開始時間より前に設定させていただきます。
- 院内に滞在していただく時間は、1時間~1時間半が目安となっています。その間、患者様は院外に出ないようにしていただきます(付き添いの方はその限りではありません)。
- 手術の際は、心電図や血圧計を装着しますので、上着等、厚手のものを脱いでいただくことになります。また消毒薬などが付いてしまう可能性がありますので、手術の際は襟のない、あるいは汚れてもいい服でお越しください。
- 顔色などがわかりにくくなるため、お化粧やマニキュアはお控えください。
- 当日の食事制限もありませんので、ご来院前に軽くお済ませください。
手術後の注意点
- 眼帯は翌日まで装着ください。
- 手術後、痛み止めを処方しますので、もし痛みがあれば服用してください。
- ゴロゴロした感じやしみる感覚が生じる場合もありますが、数日で収まります。
- 術後に点眼薬(3種類)を処方します。翌日より医師の指示に従って点眼してください。
- 術後に視界に異常が起きたり強い痛みや充血などがみられたら、必ずご連絡ください。
術後1週間は、感染への注意が非常に大切です。入浴・洗髪・洗顔については、手術当日はできません。翌日は首から下のシャワーが可能です。術後3日には入浴や髭剃りが可能ですが、目に水が入らないよう気を付けてください。術後6日目では入浴の他、洗髪・洗顔も可能になります。ご不明な点はお気軽にご質問ください。